2013.6.10
東北の復興のために
東日本一帯に甚大な被害をもたらし、数々の命を奪った震災から2年半が経とうとしています。世間一般の震災の記憶は薄れ、風化してきているといわれますが、実際にこの2年で被災地の復興はどの程度進んだのでしょうか?
下記はセカンド・ハーベスト・ジャパンが復興支援を行っている石巻の現状についての統計(2013年4月30日現在)です。
― 15,950人の方がいまだに6,995戸の仮設住宅(整備戸数7,153戸)で生活されています。
― 17568人の方が6568屋の民間賃貸借り上げ住宅にて生活されています。
― 上記の数字は、様々な理由で仮設住宅等に入居できなかった在宅被災者の方々を含みません。
― 持家を保有している方々は、たとえ震災により自宅が壊滅状態にあっても、充分な補償金を受け取れない場合があります。
― 被災者家庭の貯蓄が尽きはじめ、これから生活支援が必要となってくるのですが、多くの非営利団体・政府による支援プログラムが東北地方から撤退しています。
― 他の地域での職を見つけ、そこで新たな生活を始めることができる方々の多くは、すでに東北地方をあとにしています。残された方々は、老齢や障害、またそのほかの理由で他の地方で新しい生活を始めることができない方々が多いです。
震災がもたらした被害と同じくらい恐ろしいのが、震災がもたらした負のサイクル です。現時点での支援では、なんとか日々の生活はまかなえるものの、家族・住宅・職を失った被災者の方々が生活を再建するためにはとても十分とは言えません。生活の再建が可能でなければ、真の意味での復興は不可能ですし、震災による経済的被害はサイクル化してしまいます。このような負のサイクルが打破され、被災者がまた元の生活にもどれるようになるまで何年もかかるでしょう。
セカンド・ハーベスト・ジャパンは東北復興支援のため、ふうどばんく東北AGAIN(http://www.foodbank.or.jp/)とフェアトレード東北(http://ft-tohoku.org/)への協力をこれからも続けます。わたしたちは、わたしたちが送る食料が被災者の方々が元の生活に戻るための一助になることを切実に願います。