2013.6.17
おたがいさまの話
政府の統計によれば、日本における貧困ライン生活者のうち、8割から9割の方たちが日本人です。2HJでも、施設への食料配送・宅配便による個人宅への食料配送は日本人の方々への支援がメインとなっております。しかし、支援が必要な個人の方に事務所に食品パッケージを取りに来てもらうピックアップ・プログラムにて、現在取りに来られる方のうち日本人の方が比較的少ない状況です。
パントリー・プログラムにて8割から9割が日本人、という割合が反映されていない理由として、二つ考えられます。一つ目は、日本人の方にこのプログラムの情報がきちんと届いていないこと。二つ目は、日本社会にある貧困に対する「偏見」のため、日本人の方たちにとって取りに来づらい状況だということが考えられます。貧困に対する世間の目のため、また、支援を受けているという罪悪感のため、日本では、経済的困難におちいっている方々が声をあげることが難しい状況だといわれています。
このような状況を改善するために、2HJとしては私たちが支援している方々が「偏見」「罪悪感」にさらされなくても済むよう、工夫を施した支援をしていきたいと考えています。
たとえば、現在行っている施策としては、母子家庭支援プログラムの「バックパックプログラム」をイベント参加型にしています。イベント参加型にすることで、母子家庭の方々が周りの目を気にせず安心して過ごせる「居場所」を提供することや、母子家庭の方々に私たちが提供するサービスを気兼ねすることなく使っていただこう、という狙いがあります。他にも、政策提言・発展チームのプレゼンや出展を通じて、貧困に対する偏見に関しての啓発活動も行っています。
このような施策を実施すること以外にも、「困ったときはおたがいさま」と自然に思えるような社会を2HJは提案していきたいです。
何か困ったことがあったときに、家族や友人、同僚、ご近所さんに助けてもらった経験は誰だってあるはずです。また、誰だって、家族や友人、同僚、ご近所さんが困っているときに、手を差し伸べた経験もあるはずだと思います。
もしも日本に住むわたしたちにとって、手を差し伸べて助け合えるような「輪」が、家族や友人などに限定されない、より広い関係の「輪」となっていったら・・・もっと素敵な日本になっていくと思いませんか?
政府発表の貧困に関するデータ:https://2hj.org/problem/data.html
(Post written by 2HJ Intern, Amy Cahill)